旅は道連れ、ということで。
今年はCDデビューから20周年。特にこの10年は、怪我からの回復の過程で与えられたメッセージを歌にして届けることを大切にしてきた。事故の体験が自分の人生で大きな意味を持つことはこの先も変わらないが、それが自分の全てではない。新しい10年は、そんな「今の自分」に向き合い、さらに貪欲に音を追求したいと、昨年末から準備を重ねてきた。
楽器には、それそのものが持つ個性があり、良い楽器には音が運ぶ”風”がある。楽器は人の手によって作られるが、素材は木や金属など、元を辿れば全て神の創造物から生まれている。そこには息吹があり、一つひとつに個性がある。さらにはヴィンテージ楽器となると、どこで誰がどのように扱ってきたのかによって全く違う結果になり、何一つ同じものは存在しない。
この半年はとにかく理想の楽器を探し続けた。そしてまだこれからも続くだろうこの音の旅を、この場所で皆さんにお分ちできればと思っている。