
昨日は、20数年ぶりにCLUB METROに足を運んだ。アンダーグラウンドとアート、サブカルチャーの交錯した「あの空気」がそこにあり、懐かしさと共に、自分が通ってきた音の旅路(というと大袈裟でもあるが)をあらためて振り返る。
20代前半、デトロイトテクノ/シカゴハウスに没入していた私は、今のようにギターを抱えて歌うのではなく、当時は、simmone(シモン)という名でMPC20001台で打ち込んだBPM110前後の4つ打ちハウストラックを制作していた。セオ・パリッシュやムーディーマンといったデトロイト源流のブラックネスに触れ、自分もそのようなアーティストになりたいと思った。電子音響アーティスト”PsysEx”こと、糸魚健一氏のレーベル「SHRINE」から作品をリリースさせていただいたご縁もあって、CLUB METROには大変お世話になった。(糸魚氏は当時METROのブッキングMGRでもあった)
後にA Hundred Birds Orchestraのコーラスメンバーとして参加することになるのだが、自分がこの頃聴いていたデトロイトテクノ/ハウスをまさか人力(打ち込みではなくバンド)で演奏することになるとは本当に不思議なものだ。(AHBOは、Underground Resistanceの名曲『Jaguar』もカバー/リリースしている)
さて、昨夜の目的はこちらだった。→TOMMY GUERRERO “THEN AND NOW” JAPAN TOUR 2025 in Kyoto言わずと知れたアメリカ西海岸のオリジネーター、トミー・ゲレロのジャパン・ツアー。実は高校時代の友人がエージェントをしており、彼との再会もまた嬉しい目的の一つだった。

写真には写っていないが、3ピースのアンサンブルで、程よくレイドバックしたリズムにトミーのタイトなギターが絶妙に心地良かった。ベースのJosh Lippiは、ギターと歌でフロントアクトを務め、それがまたなんとも優しい世界観で心温まるステージに。
スタイルは変われど、どんな時代でも音楽が自分の人生の大部分を占めていたんだなと思い、ノスタルジーというよりは、静かな感謝を噛みしめた、そんな週末の夜となった。